Webサイトやブログに写真を投稿するとき、「EXIF(イグジフ)」という言葉を聞いたことはありませんか?
普段はあまり意識しない情報ですが、大切な注意点が隠れています。
この記事では、初心者の方にも分かりやすく「EXIFとは何か」「CMS投稿時の注意点」「削除の方法」までを解説します。
EXIFとは?
EXIFは(Exchangeable Image File Format)の略で写真データに埋め込まれた「撮影情報」のことです。
スマートフォンやデジタルカメラで撮影すると、自動的に以下のような情報が画像ファイル内に記録されます。
- 撮影日時
- カメラの機種名
- シャッタースピードやISO感度
- GPSの位置情報(撮影場所)
- 画像の向き(縦・横など)
つまり、見た目には分からない“写真の裏側のデータ”がEXIF情報なのです。
この情報は画像整理に便利な一方、Webで公開すると個人情報や撮影場所が漏れるリスクもあります。

EXIF情報をそのままWebサイトにアップするとどうなる?
たとえば、スマートフォンで撮った写真をそのままCMSに投稿した場合、写真の中に「撮影場所のGPS情報」や「撮影日時」が残っていることがありブラウザ上で画像を表示する際にもいくつかの影響を与えることがあります。
プライバシーリスク(位置情報など)
EXIF情報には以下のような個人情報が含まれることがあります。
例:撮影日時、使用機種(例:iPhone 15)、GPS位置情報(緯度・経度)
- ブラウザが画像を表示するだけならEXIF情報は特に使いませんが、EXIF情報を削除せずに画像をウェブ上にアップロードすると、閲覧者がブラウザ拡張や開発者ツールでEXIFを閲覧可能になる場合があります。
- 結果として、自宅や撮影場所が特定されるリスクがあります。
画像の向き(回転)に関する影響
EXIF情報には「Orientation(回転情報)」という項目があります。
例えば、スマートフォンで縦向きに撮った写真でも、実際の画像データは横向きのままで、EXIF情報の回転情報で「縦に表示」と指示していることがあります。
- 一部のブラウザや古いCMSでは、この回転情報を無視する場合があり、写真が横倒しや逆さまに表示されることがあります。
- 最新の主要ブラウザ(Chrome, Safari, Firefoxなど)は、EXIF情報の向きを自動的に解釈しますが、EXIF情報を削除した画像では正しい向きが失われる可能性があります。
ファイルサイズによる投稿や読み込み速度への影響
EXIF情報は数KB〜数十KBほどの余分なデータを含むことがあります。
特にスマホ写真は撮影条件・サムネイル・位置情報などで肥大化しがちです。
- CMSでの投稿時にファイルサイズや投稿上限に影響。エラー表示を誘発する場合があります。
- 1枚の画像では微小でも、多数の画像を扱う場合はページの読み込み速度に影響します。
- SEO(Core Web Vitals)上でもわずかにマイナス要素になり得ます。
CMSで投稿する際の注意点
CMSによってEXIF情報の扱いは異なります。ここでは代表的な2つ(WordPress・Movable Type)を紹介します。
WordPressの場合
- EXIF情報は保持されたままアップロードされます。
ただし、WordPressが生成する「サムネイル(縮小画像)」ではEXIF情報が削除されるケースもあります。 - 投稿ルールとして「アップロード前に位置情報をオフにする」運用を決めると安心です。
Movable Type(MT)の場合
- MTは画像そのものをCMSに取り込む形ではなく、サーバーにアップロードされたファイルを参照します。
そのため、EXIF情報はアップロード時点の画像に残ります。 - 画像を加工・リサイズして再生成するとき、EXIF情報が保持される場合と削除される場合があり、環境依存です。
- テンプレートタグでEXIF情報を表示できてしまう機能もあるため、不要な出力を避ける設定が必要です。
- 運用ルールとして「アップロード前にEXIF情報を削除」「撮影時にGPSオフ」が安全です。
WebサイトだけではなくSNSへのアップロードにもご注意ください。
多くのSNSはアップロード時にEXIF情報を自動で削除しますが、位置情報や撮影日時が意図せず残る可能性もあります。
Webサイトと同じく「投稿前にEXIFを削除しておく習慣」がSNSでも安全です。
EXIF情報を削除する方法
EXIF情報を削除する方法はいくつかあります。
CMSに依存せず、投稿前に削除しておくのが最も確実です。
スマホで削除する場合
iPhone
設定 → プライバシーとセキュリティ → 位置情報サービス → カメラ → 「しない」にする
これで撮影時に位置情報が保存されなくなります。
既存の写真は「Photo Investigator」などのアプリでEXIF削除可能です。
(iOS18.6.2)
Android
カメラアプリの設定で「位置情報を保存しない」に設定。
すでに撮った写真は「ExifEraser」などの無料アプリで削除できます。
(Android12)
パソコンで削除する場合
Windows
画像を右クリック → 「プロパティ」 → 「詳細」タブ → 「プロパティと個人情報を削除」
(Widows11)
Mac
「プレビュー」アプリで画像を開き、「ツール」→「インスペクタ」→「位置情報を削除」
(macOS Sonoma14.6.1)
※位置情報以外の削除には専門的なアプリケーションが必要になります
Webサイト運用時は「EXIF情報の削除」を習慣に
- EXIF情報は「撮影日時・場所・機器情報」などが含まれる隠れたデータ
- 公開すると個人・社内情報の流出リスクがある
- CMSではアップロード前の削除が最も確実
EXIF情報は便利な技術ですが、Web公開時には不要な情報になることが多いです。
投稿前にひと手間かけて削除しておくことで、会社や個人の安全を守ることができます。
